ユーロスター
ひさびさに海外の鉄道シリーズ。
昨日の日韓海底トンネルの記事にちなんで、強引にユーロスターを取り上げます。
ドーバー海峡を越えて、ロンドンとパリ、ブリュッセルを結ぶユーロスターが
登場したのは1994年のこと。ヨーロッパの高速列車の中でも抜群の知名度です。
私が乗ったのは1998年。当時はイギリス国内の高速新線ができておらず、
在来線を走っていました。しかも第3軌条の。
第3軌条とは、集電方式のひとつです。
多くの電車は、架線からパンタグラフで集電しますが、
銀座線のようにレールの横に設置した3本目のレールから集電する方式を
第3軌条方式と言います。
トンネルの断面が小さくできるので、地下鉄には建設費の面で有利とされますが、
高電圧の電線が簡単に手の届くところにあるという安全性の問題や、
他線との直通運転ができない、などの理由で、
集電方式としては限定的です。
(もっとも、新幹線の騒音源の一つがパンタグラフであることを考えると、
第3軌条方式の方が、環境面では有利と言う説もあるようですが・・・)
ユーロスターと同じウォータールー駅を発着する在来線です。
黄色の矢印が第3軌条です。
イギリスに限らずヨーロッパの多くはホームが低いので、
線路に下りて第3軌条に触ろうと思えば、簡単に触ることができます。
銀座線など日本では、少しでも接触の危険を避けるため、
第3軌条にカバーが付いていますが、イギリスにはそれすらありません。
安全性に対する考え方の違いでしょうか?
高速列車の集電方式が、銀座線と同じと言うのも驚きですが、
イギリスはご他聞に漏れず鉄道施設も相対的に年季の入ったものが多く、
最高速度300km/hで走る性能を持つユーロスターが、
イギリス国内では最高でも160km/hしか出せない状態でした。
下の写真はロンドンの始発駅、ウォータールー駅(現在はセントパンクラス駅が起点)の様子です。
分かりにくいかもしれませんが、架線がありません。
余談ですが、ユーロスターは出発直前までホームに出ることができず、
先頭車の写真をじっくり撮ることができませんでした。
自分の乗る列車を発車前に、前から後ろまでじっくり眺めておきたい
私にとっては、非常に不満の残る出来事でした(笑)
ロンドンを発車した列車は、イギリス国内は在来線を進みます。
当時のメモには「最高120キロくらいか」と書いてありますが、
実際の速度はともかく、体感速度はそのくらいでした。
やっとのことでドーバートンネルにたどり着くと、
ユーロスターはやおらパンタグラフを上げて、高速走行を始めます。
メモには「水を得た魚のごとく走り始めた」と書いてありますが、
そのくらいイギリス国内の走りがかったるかったのでしょう。
ドーバートンネルはわずか20分ほどで通過。
フランス国内は、300km/hでかっ飛ばしていきます。
日本のように住宅街や山間部を縫うように走るのとは違って、
広大な農地を一直線に突っ走っていたのを、とてもうらやましく思った記憶があります。
初めてのユーロスター乗車で、
英仏の鉄道技術の差をまざまざと見せ付けられた思いでしたが、
そんなイギリスも昨年11月に高速新線が開通し、
最高300km/hで走るようになりました。
(もちろん架線からパンタグラフで集電する方式です。)
所要時間も大幅に短縮。現在ロンドン~パリは最速2時間15分で結んでいます。
進化したユーロスターに乗ってみたいものです。
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